Mリーガー×AMOS対談企画『Real M』がスタート!AMOSアンバサダー日向藍子がトッププロの”リアル”を聞き出します!第5回のゲストは、U-NEXT Pirates所属の瑞原明奈選手です。※この対談はMリーグ2020シーズン中に実施したものです。
始まりは「見る雀」
今回の『Real M』はU-NEXT Piratesの瑞原明奈選手にお話を伺います。よろしくお願いいたします!
よろしくお願いいたします!
瑞原さんは以前、大会の優勝賞品として『AMOS JP2』をゲットされましたよね。おうちで活躍してますか?
近くに麻雀を打つ人があまりいないので、まだ4人での麻雀はできていないんです。でも自分で牌を並べたりはしています。
あとは番組の企画で、盲牌で国士無双を作るというチャレンジがあって面白かったので、帰宅後ひとりでやってみたりしました(笑)
今後、お子さん2人が麻雀を覚えたら一緒にできますね。
そうですね、本人たちが覚えたいと言い出したら教えようと思ってます!
瑞原さんが初めて全自動卓使ったのはいつですか?瑞原さんってネット麻雀育ちというイメージがありますが。
実は、プロになった後、産休に入ったタイミングでネット麻雀を始めたので“ネット麻雀育ち”というわけではないんですよね。
リアルから入ったんですね!
スタートはいわゆる「見る雀」で、MONDO TVさんを見て麻雀を知りました。
でも実際に打つというのは年に2回くらい、友人同士でセットメンツが集まったらようやく打てるかなというペースで。それが21歳あたりの頃ですね。
その頃に使っていた卓のことって覚えてますか?
うーん、AMOSさんの卓だったと思うけど、自動配牌ではなかった気がします。プロになった後、麻雀店で初めて自動配牌の卓を見た時に感動したんですよ!
その頃だと『AMOSコングバトル4』かもしれないですね!
とにかく麻雀牌が大好き
瑞原さんは「見る雀」の頃から、牌が綺麗だなとか、牌の音が好きだなって感じてたと聞きました。
そうですね、麻雀牌がとても好きで、ずっと見ていられる感じです。
好きな牌はあるんですか?
それは特にないんです。ひいきしないでみんな平等に愛してます(笑)
マンズもピンズもソウズもそれぞれの良さがあって・・・。
マンズはまず美しいじゃないですか。フォントもそうなんですけど、黒と赤のコントラストがすごく好きで。
ソウズはカッコいいじゃないですか、あのシュッとしてる感じ!
ピンズはカワイイんですよ、ふわふわ丸い感じで。手牌がピンズだらけの時は泡っぽく見えてきて、これ超カワイイ!って思うこともあります(笑)
独特の感性・・・ですね(笑)
時々、麻雀牌のデザインを変えたい、みたいな話を見かけますけど、わたしは今のものが大好きなのでそのままであって欲しいなと思ってます。オシャレなデザインのものやキャラクターとのコラボ牌などは、それはそれで「かわいい!」と思って見てますけど(笑)
メーカーや卓によってフォントとか牌のデザインが少し違うこともありますが、その中で特にお気に入りのものはありますか?
私の中ではアルティマが最高ですね。いまMリーグで打っているREXXⅡも好きです!牌の大きさとか質感がとても好みで。ちょっと重たい感じの・・・わかります?
わかりますわかります!おもちゃっぽくなくて、ちゃんとしっくりくる感じ。
「見る雀」でずっと見てきたのがアルティマの牌だったから、刷り込まれて好きになったのかもしれません。
道具というか、牌への愛情がすごいですね!
牌自体もですが、麻雀全体ですね!私、牌だけじゃなくて役もひいきしないんです(笑)
好きな手役は?とか聞かれると困っちゃうんですね(笑)
一時期Mリーグで使用されていた上下整列卓『REXXⅢ』はどうでした?
『REXXⅡ』と比べると、牌の色素がちょっと薄く感じるのと、あとは牌が少し軽く感じて若干違和感を感じました。その点で『REXXⅡ』の方が好みではありましたね。
麻雀卓は今後もどんどん変わって行くと思うんですけど、こうなってほしいなって要望はありますか?
いまの形が好きなので思い浮かばないです。点棒のやりとりが自動的に行われる卓ができたら画期的だなと思います。
ただ点棒も好きな要素の一つなので、なくなったらどう感じるんだろう。
今はサイコロも振らなくなってきていますけど、その変化はどうでしたか?
ん-、実はサイコロには思い入れがないんですよね(笑)自動配牌には大賛成なんです。
なんでやねーん!!(笑)まあそれなら変化にも順応していけそうですね!
そうですね。点棒は好きだけど、初心者さんにとっては点棒のやりとりが難しくてハードルが上がってるのかもしれないですよね。その部分も自動化することは、麻雀がもっと楽しみやすくなるためのいい変化だと思います。
あと、実は私も点棒を適切にバランス良く払うのが苦手で、両替とかあたふたしちゃうんですよね。だから点棒の自動化はありがたいかもしれないです(笑)
Mリーグでもありましたね!あのシーンかわいかったですよ(笑)
いやいや、かわいいとかじゃない(笑)ABEMA TIMESさんで記事にされちゃって恥ずかしかったです...。
天鳳アカウントの由来はあの天鳳位!
瑞原さんがU-NEXT Piratesに指名された要素の一つとして、最高九段まで到達された天鳳の実績があったと思います。やりこんだきっかけを伺ってもいいですか?
産休に入り麻雀も仕事もできなくなってしまうので、せめて雀力維持、あわよくは上達したいなと思って始めました。
アカウント名の「みかん太」の由来って何だったんですか?
アカウントを作るときにみかん食べてたんですよ。ちょうど冬で。みかんだけじゃつまらないから、何かつけようって考えたんです。
その頃よく見ていた天鳳名人戦で『太くないお』さんが勝ちまくってて、「太いわー」ってよく言われてたんですよ。太をつければ私も太くなれるのでは?と思って、それにあやかって「みかん太」が生まれました。
そうだったんですね!太くないおさんがこの記事読んだらめっちゃ喜びますよ(笑)
天鳳はどのくらいの試合数を打ちましたか?
みかん太アカウントでは3000半荘くらい、Mリーガーになってから別のアカウントで打ち始めて合計で5000半荘くらいですね。
私も出産、子育ての経験があるので、すごいなって感じます。どうやってこの打数をこなす時間を捻出してるんでしょうか?
子供の成長過程によるところはあって、子供がお昼寝する1~2時間で打つことが多かったです。夜は起きちゃう子だったので。
少し成長して、ちゃんと夜に寝てくれるようになってからは夜にまとめて打って、幼稚園に行き始めたら昼にも打ち込むことができました。
とは言いつつも、うまく寝てくれなくて全然打てない日が続いたこともありましたね。
すごく苦労しながらも5000戦積み重ねた天鳳って瑞原さんにとってどんな存在ですか?
本当にこのゲームがあってよかったなって思います。1番上の鳳凰卓だと、同卓者が本当に強くてしっかりした内容で打てるので。すぐに牌譜を確認することができるのも勉強する上でとてもありがたいです。
打てる日は1日何戦くらい打つんですか?
最近は夜に4、5戦打つのがルーティンになっていますね。
家族の協力が大きな支え
旦那さんはどれくらい育児に参加されていますか?
私がMリーグのために夜に家を空けるようになってからは育児に参戦してくれて、一通りやってくれるので安心して任せています。料理は作れないけど(笑)
どのように分担されてますか?
なるべく夫のお休みの日とMリーグの出番の日を合わせるようにチームに調整していただいています。あとは車で行ける場所に義父母が住んでるので、協力してもらっています。
特に2019シーズンは家族全体のサポートを得て、試合の日はほとんど会場に行くことができましたね。家族の協力が大きな支えになってます。
そのような苦労もあったなかで、入団1年目の2019シーズンに優勝を達成しましたよね。瑞原さんにとってどのような1年になりましたか?
一生忘れられない1年になりましたね。Mリーグの1試合1試合が特別だったし、試合以外の仕事も、全てが本当に楽しかったんですよね。
怖いこととか嫌なことも時にはあるけど、それがどうでもよくなるくらい楽しむことができました。
それを楽しめるってすごいメンタル管理ですね!
試合の道中で「楽しい!」という感じではないですけどね(笑)麻雀中は、麻雀だけに集中できるんですよ。4着になってその後ずっと悔しい気持ちで過ごすこともありますけど、それすら楽しい、みたいな。
なんだろう。普通に生きてたら、こんなに感情が揺さぶられるシーンは体験できないんだろうなと思ってます。
なんかそれ、新津さんと同じこと言ってますね(笑)
じゃあ私、新津さんなんですかね(笑)
2019シーズンは本当に駆け抜けたという感じなんですけど、結果だけでなく、とても幸せな経験が得られたと感じています。
麻雀プロとして最高の経験ができてるってことですね!
母親になってから、メンタルが強くなりました。
Mリーガーに選ばれてからは、応援の声だけじゃなく、ファンの方からの様々な意見も増えたと思います。その部分についてはどうですか?
何だろう、私は母親になってからメンタルが強くなったかなって感じがしてて、良くも悪くも色んな事が気にならなくなってきました。子供が元気に生きてればいいか、みたいな(笑)
ほんとですか!私母になっても全くメンタル強くならない・・・・・(汗)
自分に対する批判的な意見に関しては、例えばAって意見を言う人が多くても、Bって言う人もいるんですよ。
で、そのBって言う人は、本当にそれを主張したいわけではなくて、他人と別の事を言いたがる人が一定数いるから、その事を気にしてもしょうがないなって思います。
瑞原さんはご自身のNoteで「ある時からなぜか手が震えだして、途中でバランスを崩して初めて麻雀を打つのが怖くなった」(2020/07/17 来季に向けて)とおっしゃっていましたよね。
振り返ってみて、なにが原因だったと思いますか?
私は想定外のところから急にMリーガーの一員になってしまった部分もあって、最初は緊張を通り越してトランス状態みたいになってて、対局に関して逆に緊張しないで臨めていました。
けれどその後だんだん冷静になってきて緊張、恐怖が大きくなりましたね。
まだ震えたりするんですけど、気持ちは落ち着いては来ました。経験が力になってきているんだと思います。
麻雀の話をするには最高の環境。Piratesはすごくいいチームです!
U-NEXT Piratesのチームについて伺いたいんですけど、あの3人と仲良くやれてます?(笑)
仲はいいと思いますよ!すごく。
一緒に遊びに行ったりします?飲みに行ったりとか
ん-、皆さんお酒飲まれないんですよね(笑)
改めて皆で遊びに行くということを実際にはしてないんですけど、それもできるかなってくらいには仲はいいです!
麻雀の話はみんなでよくしますか?
よくしますね!選手同士で意見が違う事が多くて、その判断理由がとても勉強になりますね。
そういう時はどうやって決着するんですか?
決着はしないでそのまま終わりますね。麻雀って答えが出ないことが多いじゃないですか。
そのことを皆ちゃんとわかっているので、結論にこだわることはしないで考え方を吸収することができてとてもありがたいです。
1試合毎に何かしらの議論材料が毎回できて、その度にとても勉強になる環境だなと感じています。
2019シーズンのドラフト会議についてちょっとお話したくて。私達は同じタイミングで別のチームから指名されましたよね。あのドラフトの前ってどのような心境でしたか?
あのドラフトの前は、全チームが女性選手の加入が必須になるって知った時に面白いことになったなーって思ったくらいでまだ全然他人事のように感じていました。まさか自分が候補に挙がるとも思っていないくらいで。
U-NEXT Piratesから指名されたのは本当に驚きでした。天鳳での実績が評価されてのことだったので、地道に努力してきて本当によかったなと思いました。
今よりもっと麻雀が強くなって、チームに今以上に貢献したい。
瑞原さんの今後の目標を聞かせてください!
難しいですね、細かい目標は色々あります。まずは今よりもっと麻雀が強くなってチームに今以上に貢献したいなと思っています。まだまだ課題がたくさんあるので。
例えば序盤の切り出しの選択とか、今シーズン(2020シーズン)の試合を通して自分の課題がたくさんできたのでその部分を咀嚼して成長に繋げたいなと思います。
その部分って、瑞原さん一人でやるんですか?
チームメイトに意見を聞きつつ、最終的には自分なりのバランスに調整していきたいなと思ってます。
私も自分の試合を見直すと、どうしてこれ切ったんだ自分って思うシーンも多いんですよね。何故かって考えたんですけど、いくら仲間とたくさん練習しても、Mリーグの実践は全く別物だなって思って。
わかります。この卓で1試合打つっていう経験値、すごいですよね!
ママ雀士に向けてメッセージ
では最後に「ママ雀士」の方麻雀プロをはじめとしてたくさんいると思うんですけど、その方々に向けてアドバイスするとしたら何かありますか?
焦らないことが一番だと思います。成功させなきゃ!みたいに結果を焦らないで、10年スパンくらいで考えて、今できないことは無理しないでマイペースで実践していくことが大事だと思います。
自分が仕事できない間って、その仕事を他の人がしているから不安になったりすると思うんですけど、そうなると色んな事がストレスになって悪循環になってしまうと思うんですよ。
なのでものごとを長期的に考えて、目先の事を焦らずにやっていくのがいいと思います。
実はこれ、土田さん(土田浩翔プロ)にアドバイスされた事なんですけどね(笑)
確かに…。私もすごく焦ってた覚えがあります。最後にとてもいい話が聞けました。本日はありがとうございました!