Mリーガー×AMOS対談企画『Real M』がスタート!AMOSアンバサダー日向藍子がトッププロの”リアル”を聞き出します!第3回のゲストはKADOKAWAサクラナイツ所属の堀慎吾選手です。
麻雀卓との出会い
堀さん、今日はよろしくお願いします。全自動麻雀卓『AMOS』のアンバサダーとしてインタビューしていきます!
よろしくお願いします。
さっそくですが、初めて麻雀したときってどんな卓で打ちましたか?
最初は小さい頃に、手積みの麻雀卓で打ちました。麻雀を知ったきっかけはスーパーファミコンのゲームでしたね。
そのあと全自動麻雀卓に出会うわけですね。
そうですね。ちなみに僕は正直者なんで言いますけど、初めて使った全自動卓は※マツオカさんの卓でした(笑)
※株式会社マツオカメカトロニクス。人気シリーズ『センチュリー』などの製造メーカー。現在の株式会社鳳凰。
え~。でもリーグ戦だったり麻雀店だったり、そのあと使う卓はAMOSになっていきましたよね?(笑)
そうですね(笑)触れた回数はAMOSの卓が一番多いですね。
ちなみにAMOSと聞いてどんなイメージですか?
自動配牌のアルティマと、※バトル4のイメージが強いですね。だいたいその2機種だったんですよ、どこいっても。
リーグ戦の対局会場はコングバトル4が多かったですよね。
その中でもアルティマのオレンジ色が一番イメージ強いですね。
確かにオレンジの印象強いですよね。第1回でインタビューした多井さんもそう言ってました。
オレンジと青ってのが麻雀卓の色って感じで定着してるのかも。アルティマがオレンジでバトル4が青だったし。牌の背の色も青系とオレンジ系が多いですよね。
牌の色までAMOSのイメージで定着してるんですね(笑)
ちなみにMリーグで使われてるレックスについてはどうですか?
僕ね、世代じゃないんですよレックス。スーパーファミコン世代とか64世代とかあるじゃないですか?
僕はアルティマとコングバトル4の世代。レックスって聞いても「そういえばそんな名前だったな」って感じですね(笑)
アンバサダーの私がもっと頑張らないとですね(笑)
アルティマといえば自動配牌機能ですよね。初めて使ったときどうでしたか?
あれはもう画期的でしたね!まずゲーム進行が早い。競技麻雀やっといて何言ってんだって感じですけど、配牌を取る時間って無駄な時間じゃないですか。
僕はゲーム性さえ損なわなければ全然良いと思うんで。撹拌機能さえしっかりしていれば自動配牌でも全然良いと思っています。
今後発売される麻雀卓に付いてて欲しい機能とかってありますか?
え、これ以上進化しちゃったらそれこそもうネット麻雀に近くなっちゃいそうですね。ボタンを押したら牌勝手に切ってくれるとか…?もうすでにリアル麻雀卓の限界にかなり近づいているんじゃないですかね。
もっとこうして欲しいっていう要望はありますか?今日は※大洋技研の社員さんも来ているので(笑)
今のところとくにないですね。満足しています。要望があるとしたらもう麻雀のルールのほうですね。
大洋技研には何もできない範疇ですね(笑)
ルールをもうちょっと複雑にして欲しいんですよね
例えば特殊な効果が使えるカードを1人何枚か持っているとか。「トラップカード発動!」みたいな(笑)
もっとシンプルにしたほうが良いっていうのはよく聞くんですけど、堀さんは逆なんですね。
強さの秘訣は”考えること”
堀さんって摸打がとても丁寧で一定ですよね。リーチの時に強打があるわけでもなく危険牌を押すときもサッと切るだけで。
四暗刻ツモったときも、何一つ感情に表れないじゃないですか。牌の扱いが一緒でいっつもソフトなイメージなんですよ。
そうですね。よく言われます。
何か心がけてることがあるんでしょうか?
いやー、とくにないですね。もう昔から染み付いてる型というか、特に意識してないです
なるほど。水の呼吸みたいな(笑)
そう!堀の呼吸、一の型(笑)
麻雀中も淡々としてますよね。感情的になったことってあるんですか?終わった後にちょっとくらい愚痴ったりとか。
ありますよ全然。ちょっとどころか、めちゃめちゃ愚痴ります(笑)
そうなんですね!麻雀中はあまり感情を表に出さないですよね。考えてるときの顔はめちゃくちゃ機嫌悪そうだけど(笑)
そうですか?(笑)顔とかなんにも考えてない。完全に麻雀に入ってる感じです。
普段はどんな練習や研究をされてるんですか?
練習って意識して取り組むことはあまりないですね。麻雀を打つことが練習であればそれが練習なんでしょうけど…
”人の麻雀を後ろで見る”ってことは意識してやっています。麻雀のことを考える時間と、実際に打つ時間を両方取ってる人がどんどん強くなると思ってるんですよね。 打つだけでもだめだし、考えるだけでもだめなんですよね。
なるほど…
考える時間をどう取るかっていうのは人それぞれでいいんです。誰かから麻雀を教わってそれを考えてみるでもいいし、人の麻雀を見て自分なりに何かを考えてでもいい。
それこそ麻雀を打ちながら考えるっていうのでもいい。しっかりと考える時間を取らないと強くならないですね。
堀選手がここまで強くなれたのは”考える時間をしっかりと取ってきたから”ということですか?
そうですね。僕はその考える時間をとる手段が人の後ろで麻雀を見るっていう感じでしたね。
誰の後ろを見るとかは決まってないんで別に誰でも良いんですよ。環境に応じて放送でもリアルでも良いです。
要は、他人の選択理由を考えて、自分の選択と比較するということが大事です。見ている選手が自分と違う選択をしたときに、その状況でその人が何を考えてこれを選んで、自分の選択と比べてどちらが優れているかなって考える。
もっといえば”自分の選択との比較”をするためには、”自分だったらどうするか”を瞬時に判断する必要があります。
それを繰り返していくことで上達してくんですね!
実践と座学っていうんですかね。そういう時間を両方取っていくことでどんどん成長すると思います。
ただ、そういう時間をたくさん取るってよっぽど環境が整っていないと難しいと思います。もうほんとに麻雀が生活の主体になってるような人じゃないと。
堀選手も結婚してから環境変わりましたか?今はちっちゃいお子さんもいるし。
そうですね。そういう時間が取れなくなった面はありますね。今は放送対局を見たりして工夫しています。
少ない時間の中で努力されてるんですね。
麻雀に対して勉強癖がついてるんですよね。癖がつけば別に努力してるとも感じないです。
堀選手はよく”ビッグマウス”っていわれるじゃないですか。あれって多少演出があったりするんですか?熱闘Mリーグでも「自分より強い選手はいない」っておっしゃってましたよね(笑)
演出もありますけど、まぁほぼ本心。
それを”ビッグマウス”って言われることについてはどうですか?
いや、心外ですよ!ほんとに(笑) 事実を言ってるだけなのに。ビッグマウスってようは口が先行してるってことでしょ?実力なくて。 僕はただ事実を、わからない人が多いと思うので教えてあげてるだけなんですよ。なのでそこは毎回、遺憾に思ってます。
新規加入選手としての心境
今年唯一の新規参入選手としてここまで戦ってみてどうですか?プレッシャーは感じましたか?
プレッシャーって、大きなことを言って「これで結果残せなかったら…」とか思うことですよね。僕、これでずっと勝ってきてるんで。
かっこよすぎる。
もうなんか、不安すらないんですよね。色々言っちゃってこれで負けたらどうしようとかもない。勝つことがわかってるというか。
たぶん昔はこれで結果でなかったらとか思ってたんでしょうけど、知らないうちになくなってましたね、そういう感情が。
じゃあ今は卓に向かう時はどんな感情で行くんですか?はい、行ってきまーす!みたいな?
いや、いつも楽しみにしてる。常に試合のある日は1回は打ちたいですね。
デビュー戦でも1局か2局はまだどきどきしました?ダカダカダカダン♪とか音楽鳴るじゃないですか(笑)そのあと照明が落ちたり。
確かに。あの入場シーンの流れてる音とかね。「あ、あれ、この場で本当に鳴ってたんだー」みたいな。
それだけ?アトラクション見てるみたいなテンションじゃないですか(笑)
はい、卓についたらもう後は麻雀に入るだけなんで。
なにかのインタビューで「東1局の5巡目くらいまでは緊張するかな」みたいなこと言ってましたよね。それすらなかった?
そうですね。デビュー戦ちょっと前に最強戦っていうテレビ対局があって。それに出たとき、3巡目くらいまでちょっと手がおぼつかなかったんですよね。「あ、こんなことあるんだ」と思って。最強戦で3巡目だったらMリーグは5巡目くらいまでかかるかなと思ったんですけど、それすら無かった(笑)
チーム戦という部分に関してはどうですか?
チーム戦もね、大会とか規模は全然違うけど今まで経験が無かったわけではないので。
KADOKAWA背負ってるんですよ?知ってます?私めちゃめちゃ深夜アニメみてますよ?
うん、そうなんすけどね。ちなみに僕は一回も見たことない(笑)最初入った時に「これ面白いよ」って監督にすすめられて「見ます見ます!」って言ってそれっきりだね。
「自分より強い選手なんていない」って言ってMリーグに参戦して、実際どうでした?
まあ強い選手がいないっていうのは正直ちょっと分かんないんですよね。何をもって強いというかもわからないですし。僕以外にも強い選手がいることは間違い無いんですけど、常に自分が1番強いと思ってはいますね。
印象に残ってる選手とかいます?一緒に戦って。
うーん、やっぱり黒沢さんですかね。自分と選択がかなり違う人が勝ってると、勝つ理由みたいなのをよく考えるんですよ。 黒沢さんに関してはなぜこれで勝てるのかっていうのがちょっと思い浮かばない。 この麻雀でどうやって勝てるんだろうなって思うんですよね。実際それで結果を出してるわけじゃないですか。
そうなんですよ!毎年勝ってて、なおかつちゃんと仕上がるんですよね。
日向さんと黒沢さんが居たデビュー戦も、黒沢さんにしっかり6000オールって言われて「あー、これが黒沢咲か」っていうね(笑)
KADOKAWAサクラナイツのチームの雰囲気はどうなんですか?
すごく良いと思ってます。
巷で聞いたエピソードなんですけど、堀さんがお弁当食べた後に沢崎さんが「僕もお弁当食べようかな。堀くん一緒に取りにいこうよ」って。 堀さんが「いや、自分食べたんで」って言っても「いや、行こーよー」て結局一緒にお弁当取りにいったエピソードを聞いたことがあって… 堀さんもしかして沢崎さんとめちゃくちゃ仲良くなってます?
沢崎さんは、すごく良くしてもらってます。こないだなんて、おでん作って持ってきてくれたんですよ!
沢崎さんの得意料理ですよね!
そう、自宅で仕込みからやったおでんを振舞ってくれて。すっごい美味しかったですよ!
今シーズン加入なのに、すでに中心メンバーになってますよね。
いやなんか、僕だけ団体違うじゃないですか。それを3人ともそれぞれちょっと気を遣っていただいてるというか…そういう感じでうまくいってるんじゃないかな。皆さんの優しさのおかげかなと思います。
麻雀の話はします?アドバイスしたりもするんですか?
あんまり…まあ普通に見ながら僕が好き勝手言うんで。岡田さんとかが向上心を持って聞いてきてくれたときには「自分はこうします」とハッキリ言いますね。チームのためにも、気を遣って答えるよりも素直にそうじゃないって言った方がいいと思うので。
一時期かなりマイナスで辛い時期があったじゃないですか。チームメイトとはどんな会話をしていましたか?
変に気負うというかポイントがないことで余計に負けるような選択をしてしまわないようになるべく雰囲気だけでも良くしようと意識してました。
あと多分僕だけじゃなくて、チームのみんながサクラナイツの実力は上位であると信じていたと思います。だから今は負けていてもいずれちゃんと勝っていけるだろうっていう気持ちが全員に少なからずあったんじゃないかな。
自己紹介は「麻雀が強い。以上です」
Mリーガーとして活躍されてたぶんお仕事もかなり増えたと思うんですけど、やってみたいお仕事とかってありますか?
麻雀以外は特にないですね。
あの、ご趣味は?
ご趣味?ゲームです。ただもうゲームもほとんど引退した身になってまして(笑)だからゲームは自分の農場に麦を植えて収穫したり、牛から牛乳をとってとかファーム系ゲームをしてます。ぜひ日向さんも(笑)
癒し系のゲームが好きなんですね。
はい、隠居した身というか、もうゲームに関しては癒しのほうにいってますね。課金だとか、勝っただ負けただとかはもういいかなって感じです。
自分の生活にもう勝った負けたが結構ありますもんね
そうですね、常に勝負の世界に身を置いてるんで、ゲームくらいはもういいよと。
家族とはどんな時間を過ごしてるんですか?一緒にいる時間って結構あります?
はい、結構一緒に遊んだりはしてます。
お子さん結構もうしゃべりますよね。パパの仕事とか理解してます?画面みて「これパパだよ」とか
うん、麻雀やってることは分かってます。すっごい癒されるんですよ。例えば、この間Mリーグでラス引いたんですけど「ぱぱ、ふーのおうえんがたりなかったごめんね」って言うんですよ。
ええええー!そんなこといわせて、ぱぱわるいやつですね(笑)
本当にめちゃくちゃいい子なんですよ。やっぱり負けると結構落ち込むじゃないですか。 でも帰って子どもが癒してくれるっていうのですごく助かってるんですよね。
子どもの癒しのパワーってすごいですよね、ファーム系ゲームじゃ足りないくらい癒しですよね
いや、ほんとにすごいですね。だいぶ環境恵まれてるなって思います。
対局以外の活動でしたいことはとくになし?
無いですね。
でも雀王獲られたあとnoteとかTwitterめちゃくちゃ頑張ってましたよね。
そうですね、あれなんでやってたんですかね?
いや、それこっちが聞きたいです(笑)
いやほんとなんでやってたかわかんないんですよね。11月くらいに始めて、3月くらいにはやめたんですよね。
早かったですねー(笑)飽きやすい?
飽きやすい、ほんとに飽きやすいんですよね。飽きやすいというよりも、めんどくさがりなんですよね。麻雀くらいですねこんなにずっと続けてるの。
自分のことまだ知らない人に、自分を説明するとしたらどんな風に伝えます?自己アピールしてくださいって言われたら
そうですね…麻雀が強い。以上です。
いつかそんな自己紹介してみたい…(笑)
それでは最後に、これからの麻雀界「もっとこうなってほしい」という思いがあれば教えてください。
今は麻雀プロ五団体いずれかに所属してないとまずMリーガーになれないっていう決まりがあってですね。若い子達が表舞台にでてくるまでにどんなに実力があっても時間がかかりすぎるんですね。
将棋の世界でいう藤井聡太くんみたいな子が出てきても、その子が脚光を浴びるようになるのに何年かかるんだよっていうようなシステムになってるんです。僕が麻雀をはじめた10、20年くらい前よりも明らかに麻雀全体のレベルが上がってるにも関わらず。
それがすごく良くない思ってますね。本当に実力さえあればすぐに上に行けるようなにしていかないと、ものすごい天才が現れたとしても麻雀の世界に入ってくれないかもしれない。
プレイヤーとしてだけじゃなく、麻雀界のことも考えているんですね。
いや、単純に僕が強い人と戦いたいんですよね。別にMリーグに居座りたいとかではなくて、もうどんどん入れ替えてどんどん強い人に上がってきてもらいたいんです。
あくまで自分が強い人と戦いたいからなんですね。堀さんらしいです(笑)