「多井隆晴は”今やっと始まった”」
Real M 第1回:渋谷ABEMAS 多井隆晴

Mリーガー×AMOS対談企画『Real M』がスタート!AMOSアンバサダー日向藍子がトッププロの”リアル”を聞き出します!

記念すべき第1回ゲストは、渋谷ABEMAS所属の多井隆晴選手。「チーム・個人としての目標」「あるべきプロ団体の姿」「次世代の麻雀卓」など多井プロが思い描く“未来”の一端をお聞きすることができました。ぜひ最後までご覧ください!

衝撃的だった自動配牌

多井さん、アンバサダーとしてさっそく質問なのですが、“AMOS”と聞いてどんなイメージですか?

う~ん…オレンジ?(笑)

あ~、はいはい!とくに※アルティマはオレンジのイメージありますよね!

※AMOS ULTIMA(アモス アルティマ)…『自動配牌ドラ出し機能』がきっかけとなり爆発的ヒットとなった全自動卓

あの自動配牌が出て麻雀業界ほんと変わったよね。衝撃的だった。

“プロの世界に多井隆晴があらわれたように”ね。

なんか見出しっぽいこと言ってくれた(笑)

Mリーグでも自動配牌が採用されてるけれど、今となっては必須の機能だよね。

選手が考える時間はまた別として、試合時間はできるだけ短縮していったほうがいいと思う。

そのほうが見ている人にとって親切ですよね。

ぼくが代表をしているRMUではいくつかの公式戦で自動配牌を採用しているんだけど、まだプロ団体の対局では採用されてないことも多いみたい。

今は麻雀店でも自動配牌が主流ですもんね。

麻雀ファンのためにも、プロ団体がそれに合わせていく必要があると思う。形式を重んじる大切さも分かるんだけど、業界全体がもっと新しいモノを取り入れていくようになると嬉しいかな。

捨てられた全自動卓

そういえば、昔お母さんに全自動卓を捨てられたってのは本当なんですか?

捨てられたね~。

あのね、ぼく一応トッププロなんですよ。実はタイトルもいくつかとってまして…

はい、存じ上げております(笑)

そのトッププロの持ってる麻雀卓が「うるさい」ってだけの理由で勝手に捨てられちゃったんですよ!

たしか多井ママは麻雀プロってことを知らないんですよね?

うん、ただ麻雀が好きな人だと思ってるみたい。

(笑)

でも実際麻雀プロとして食っていけるって、日向のご両親もあまり想像できなかったと思うんだよね。

そうですね、心配かけてました。世代によってはまだ悪いイメージがありますもんね。

うん。日向がMリーガーになってとても安心したと思う。

そういう意味でも、指名してくださった藤田監督にはほんとに感謝してます。

多井流“プレッシャー克服法”

渋谷ABEMASの選手として多井さんは監督になにか思うことはありますか?

自分で言うのも照れくさいけど、ぼくのことはチームの中でも特別に信頼してくれてるんだよね。

だからぼくもそれに応えて、いつまでも強くてかっこいい多井隆晴でいなきゃと思ってる。

藤田監督って選手に「勝ってくれ」とかめったに言わないじゃないですか。だけど、ここ一番ってときの多井さんには「勝ってください」ってびしっと言いますもんね。

そのぶんプレッシャーもすごいけどね(笑)

私もこの1年対局してみて、あの舞台の特別な重圧を感じました。多井さんはプレッシャーをどうやって克服してるんですか?

うーん、ヒーローを演じることかな…俳優になったつもりで「俺の麻雀楽しめよ」「俺はスーパースターだ」って自分に言い聞かせてるね。

なるほど、“演じる”かー。それで今いい結果が出てますもんね。私も参考にしてみようと思います。

日向加入は“最高”だった

普段あまり聞けないのでこの機会に…。日向が加入した2019シーズン、ABEMASはどうでしたか?

最っ高だったね!

ほんとですか!?

うん。むしろ日向がいなかったらABEMAS終わってたかもしれない。

白鳥が2018シーズン不調で、昨シーズンは松本が大きくマイナスしてた。それ自体はしょうがないことだけど、そんなときでもチームの雰囲気が悪くならなかった。これはほんとに日向のおかげだと思う。

そういってもらえると嬉しいです。

渋谷ABEMASはABEMAっていう名前を背負ってる分、ファンの期待も大きい。その分結果が出なかったときに跳ね返ってくるものも大きいからね。

その期待に応えられるチームになりたいですよね。

うん。ちょっと大げさにいえば、“ABEMASとそのほか7チーム”って言われるぐらいに人気も実力もズバ抜けたチームにしなきゃと思ってる。

ユニフォームに“ABEMA”っていれたらもう覚悟を決めなきゃね。

スーパースターと同じ舞台に立ちたい

逆に個人としての目標ってどんなものがありますか?

まず第一にABEMASを優勝させること。

次に、とにかく多井隆晴をたくさんの人に知ってもらうことだね。僕がまず有名になって、ABEMASやMリーグを盛り上げていかなきゃと思ってる。

最近有名なyoutuberの方とコラボしてたりするのも、そういう狙いがあるんですね。

そうだね。youtubeもそのための取り組みのひとつだね。具体的な目標としては、まずはチャンネル登録者数10万人を早く達成したい。

たかちゃんねる(多井プロのyoutubeチャンネル)の登録者数の勢いすごいですよね。

私もyoutubeをやっているのですごく分かるんですけど、あのペースで更新するのって相当大変だと思います。

正直めちゃくちゃ大変だね。一日かけて撮影しても10分の動画にしかならないなんてざらだもん。最初はどんな企画がうけるのかも分からなかったし。最近ようやく結果がついてきたかな。

Twitterでも少しずつ良い変化が起きてるんだよね。最近アスリートや著名人の方にフォローされることが多くなってきた。

そういえば本田圭佑選手にフォローされてましたよね!?

うん、あれは正直意味が分かんないよね(笑)フォロワーが100万人いて、フォローしている人が1000人しかいない中の1人だからね。

最初聞いたときはクリックミスなんじゃないの?って思いました(笑)

本田選手以外にも、Jリーグの選手とかプロバスケット選手からフォローされることが多くなってきたね。

ただ、それで喜んでる場合じゃなくて、ぼくとしては「今やっと始まった」って思ってる。こういう交流が少しずつ増えてきて、「ここから多井隆晴は大ブレイクするぞ」って意気込みでいるよ。

多井さんにとってはここがスタートラインなんですね。

「麻雀プロだって、世の中のスーパースターと同じステージに立てるんだ」ってところを他のプロに見せたいね。

多井プロが描く”麻雀界の未来”

プロ業界、そして麻雀業界はなにを目指すべきだと思いますか?

来ましたね、この質問。ちょっとこれはぜひ聞いてください。マジレスするんで。

全部マジレスでお願いします(笑)

あのね、実は多井隆晴の想像する世界になってほしくないんです。

??

あれは5年前くらいかな、藤田さんと初めて食事したとき同じ質問をされたのね。「麻雀界どうなってほしいですか?」「なにかできることありますか?」って。

他のプロからは「タイトル戦を新設してほしい」とか「年俸制のプロになりたい」って意見が多かったらしいんだけど、ぼくだけ「自分なんかにそんなこと聞かないでほしい」って答えたんだよね。

なんでそんなこと言ったんですか!?

ちょっと語弊がある言い方かもしれないけど、麻雀プロなんかの発想やリクエストを聞き入れてほしくないって思ったんだよね。

藤田さんは厳しいビジネスの世界で成功してるよね。その藤田さんがやりたいことを実現させてくれ、と。

なるほど…

だって、Mリーグなんてものができるなんて、日向も想像できなかったでしょ?

たしかにこんな未来は想像できませんでしたね…

悔しいけれど、ぼくたち麻雀プロじゃできなかったんだよ。

多井さんはRMUの代表という立場でもありますよね。業界のことを誰よりも考えていると思うんですが、それを押し殺してこんな風に言えるのは素敵です。

あえて自分の意見をいうのであれば、麻雀プロが全く関係ない組織を作って欲しいね。

ビジネスや政治の世界から人を募って、その人たちが業界としての目標を掲げる。そして選手はそれに向かっていく。これが理想だと思う。

現状、プロ団体の運営は選手が兼業していることがほとんどですもんね。

例えばプロ野球なんかをみても、日本野球機構という組織があって、リーグ運営や野球を広める活動を行っているよね。

そしたら野球でいう選手会みたいな組織も必要そうですね!

そうだね。もちろん麻雀プロにしか分からないこともあるからね。

ただ、ぼくたち麻雀プロ2000人の正しさと世の中の人達の正しさって違うかもしれない。そういった意味で、麻雀業界以外から知見をうまく取り入れられるシステムにしたいね。

人口100万人増!?”未来の麻雀卓”

少し話は変わりますが、多井さんが考える“次世代の麻雀卓”はどんなものですか?

やっぱりなんといっても、点数計算の自動化だね。あがった瞬間に牌を読取って点数が表示されるの。点棒も電子化して無くしたいね。

そこがネックで麻雀から離れてしまうこと人も多いですからね...

牌にICチップを埋め込んで、牌山、手牌、捨て牌を常に読取ることができれば、点数だけじゃなくて、個人の成績や牌譜データだってすぐに取得できるからね。

初心者に優しくて、上級者も楽しみが増えるってことですね。

ただこれはね~。理想だけいうのは簡単なんだけど、販売することを考えると難しいんだよね。例えば販売じゃなくて年間使用料をとればいけるのかな…

めっちゃメーカー側になって考えてくれてる(笑)

これが実現すれば、麻雀人口があと100万人は増えると思ってるからね。Mリーグ機構からお金もらってつくってほしいくらい(笑)

例えば牌を読取るために、麻雀の動作を変える必要があったりしたらどうしますか?

そんなの全然問題ないね!ポーカーの対局番組だって、トランプを読取るために一定の場所に置かなきゃいけないからね。麻雀ファンのために、そういった事例は積極的に取り入れていくべきだと思う。

そこまで考えてるんですね。実現できるように大洋技研(AMOS製造メーカー)の人たちに言っておきます!

それでは最後に、AMOS、そして大洋技研に期待すること、やってほしいことはありますか?

これは一緒にやりたいことなんだけど、麻雀牌とかマットを寄付したいんだよね。例えば被災地とか児童待機所とか。

すごく素敵ですね!きっと喜んでくれると思います。

偉そうなことをいろいろ言ってるけど、ここまでこれたのは自分ひとりの力じゃないからね。もらった恩を還元できるようなことをできたら嬉しいかな。

ぜひ実現させましょう!AMOSアンバサダーとしても麻雀を楽しむ人が増えることはどんどんやっていきたいです。

多井さん、本日はありがとうございました!

撮影:愛内よしえ(日本プロ麻雀協会)

対談を終えて

第1回の『Real M』は多井さんをゲストに貴重なお話をたくさん聞くことができました。一人の選手、団体の代表、そして渋谷ABEMASのキャプテン…様々な角度から麻雀界の未来について考えている多井さんの胸の内を明かしてもらい、私としても考えさせられることばかりでした。

はやく点数計算のできる卓ができないかしら!考えるだけでワクワクしますね。ぜひ皆さんの感想もきかせてください!次回の『Real M』もお楽しみに!(AMOSアンバサダー日向藍子)

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多井 隆晴(おおい たかはる)
誕生日:1972年3月17日
出身地:東京都葛飾区
血液型:B
獲得タイトル:第1.3.6,8期RMUリーグ優勝、麻雀日本シリーズ2015,2016、RTDリーグ2016優勝、他多数

2018年に開かれたドラフト会議で渋谷ABEMASから1位指名を受け、その年のMVPに輝く。2019シーズンも抜群の安定感でプラスを重ね、チームを決勝に導く。
日向 藍子(ひなた あいこ)
誕生日:1988年9月24日
出身地:長野県茅野市
血液型:O
獲得タイトル:プロクイーン16期,17期、RTDガールズファイト3優勝、第1回女流モンド新人戦優勝

渋谷ABEMASの一員となった2019年に第一子を出産。シーズンの成績もプラスにまとめ、育児も対局もこなす”ママ雀士”として活躍。2020年10月AMOSアンバサダー就任。